2021年理事長所信

所信

一般社団法人 江津青年会議所
2021年度理事長 湯淺 弘一

不易流行
~挑戦 ふるさと愛家族~

 

江津の真ん中から大海にそそぐ江の川、「ゆく川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」、私の見る江の川に呼称や景観に変わりはありませんが、その流れる水は今も常に動き変わり続けています。日頃は人々の生活を潤し、シンボルにもなり、時には荒々しい力を見せつけてくれ、自然に対しての無力さや偉大さ、感動と様々な表情を見せつけてくれる存在です。

2020年新型コロナウイルス感染症拡大により、今までの当たり前は、当たり前ではなくなりました。人々は集まることを自粛し、人が動けなければ経済活動も動かなくなり、今までのセオリーが通じなくなる出来事でした。ですが起こった現実を変えることはできません。活動や仕事や価値観に変化が生じていますが、それでも私達は日々の生活を営んでいく必要があります。

活動や仕事に変化が生まれているという事は、その起こった変化に対して、今までの手法が本当に合っているのか見つめなおす機会でもあります。不変の価値と変わっていく価値を見定め、本質を考え捉える能力を養う事、その見定めた価値に適切な手法を用いて時代に対応させていく事が必要不可欠です。

私の思う不変の価値とは【人と人の繋がり】そのものであります。江津青年会議所はその人々の繋がりを活かし、メンバーはJC活動の中で、挑戦と失敗を経て成長し、地域のリーダーとして修練のなかで得た力を、他者の為に使い、この江津を、この石見地方を潤す人材が切磋琢磨しあう場所であります。

江の川のように不変でありながら、メンバーは流れる水のように流動的です。与える価値も様々で偉大さや感動を与えることのできる、江津青年会議所を、そんな江の川のような存在であると我々は再認識していきます。

創立45年目に夢を描き、追求し、実現する大切さを学び、46年目共に行動する友を、家族のような愛のある団体であると再認識し、この47年目の成長期は環境の大切さを理解し、挑戦する事に重きを置いた活動をします。

頭で理解し、心でやると決め、腹に落として、はじめて足に伝わり行動に移します。様々なプランやビジョンはすでにこの世の中に溢れていて、皆既に知っています。その頭で理解した知識を活かし、行動に移れるように、メンバーの心に寄り添い、向き合って共に自己決定し、挑戦する一年にしていきます。

上司でも部下でもない、信頼しあえる家族の暖かさの中で共に挑戦しましょう。

 

【総務情報委員会】
インターネットや新しいツールが開発し続けられ、日々のセオリーが変化する時代に私たちは今直面しています。従来の手法が適用できない、反面今までできなかった可能性を引き出すチャンスでもあります。物事の捉えかたを柔軟にし、苦難は幸福の門と考え、WEB のテクノロジーが発達したおかげで、会議に遠方からでも場所を選ばず参加可能となったと考えれば、新たな経験を積むことができ、成長のチャンスとなります。

日本青年会議所、中国地区協議会、島根ブロック協議会の主催する各事業へ参加する事で、獲得できる価値を考え、わかりやすく会員に伝え、江津青年会議所の顔となって会員に成長の機会を提供します。多くの事業にかかわることの多い総務情報委員会ですと、挑戦の機会が多いということです。それは委員会メンバーの成長のチャンスも多いということです。私達が変革を起こそうとする時、地域を想った行動をとる時、私達の名刺と JCI のバッジはとてつもない効力を発揮します。望めば多くの場所に赴くことも、力を借りることもできます。その為には礼節の価値を、今一度考える必要があります。その礼節とは他人を思いやる塊の行動であるからです。

地域災害、有事の際に率先して動くのも、もちろん必要ですが、日頃から奉仕の精神をメンバーと共に活動の中で育んでいく事を大切にします。メンバーと江津の魅力を連携するパートナーへと確実に言葉と行動で伝えていきます。

 

【拡大育成委員会×OODAサイクル実施研究会】
時間の流れは平等で、本年度江津青年会議所では10名を超える会員が卒業を予定しています。その後、江津青年会議所で成長を共にするメンバーは約40名となります。このメンバーの規模で、今までと同じ活動、より良い活動ができるでしょうか?感性は変わらないのでしょうか?地域のニーズに対応できるのでしょうか?諸先輩方が拡大を考えた時と思いは変わらず、共に同じ志をもって行動する仲間は多い方がいいです。青年に成長の機会を提供する事を使命とする青年会議所で20歳から40歳までの有限の時間は待ってはくれません。若さの中にしかない感性があり、その感性は魅力と可能性の塊です。年を取ると経験や知識は得ますが若い感性を失っていきます。若人には知識と経験を、年寄りには若い感性をお互いが、想い合い相互価値を交換し、心理的安全性のある暖かい家族の中で、言葉を交わし、喜怒哀楽を感じ、友と切磋琢磨し、連続する自己決定の中で自らの幸せを確立していくそんな団体を目指します。強烈なリーダーシップを持った一部の人間ではなく、ジェンダーフリーで、多種多様な職種がお互いを尊重しあう中道のようにすべてを生かす場であり、自己決定できる日常生活のリーダー像が多く世に求められています。自分が住み暮らすこのまちを、他の誰かにまかせきりにならず、自分が行動を起こしてまちをより良くしていくのだと伝えたい。人と人が繋がり行動する、不変の価値を伝え続ける為に、共に活動しようと声をかけ続けます。そして今ある組織文化に注目し、江津青年会議所と仲間の魅力について時間をかけて語り合い、行動を導き出します。

 

【青少年保護者委員会】
私達はこの世に産れ、幼少期、青少年をへて、今青年として今活動しています。どの地域で育ったかは、同じではないですが、親、地域、先生様々な存在に学びをいただいて青年へと至っているはずです。誰しも一人では生きていく事は叶いませんし、成長することはできません。新型コロナウイルス感染症拡大により、都市部と地方の価値が確立されています。島根県教育委員会で定義するふるさと教育では地域のひと、もの、ことを活用し、ふるさとに誇りをもち、心豊かなでたくましい教育を行うことされています。くしくもコロナウイルス感染症拡大により、再抽出された地方の価値の1つである、この地方にしかない「こと」を青少年と共に学びます。物質的な「もの」ももちろん大切ですが、たくましい心を育むためには「人と人が繋がった」ふるさとの学びが必要です。その人とは親であり、地域の大人であり、子供です。青少年と青少年と関わるすべての人に「こと」の価値と、成長の機会を提供します。

進化しつづけるテクノロジーは諸刃の剣です。いつでも、どこでも望む情報が簡単に手に入り、簡単に人と繋がる事ができます。その反面常習性刺激物とも揶揄されるスマホ、パソコン、SNS といったツールに、人間はまだ対応しきれていません。幼年期から向き合わなくてはならぬ問題となっています。危険なものは排除するわけではなく、火を人間が使いこなしているように、上手く付き合うことの重要性を共に考え、導き出します。

青少年の見本となるこの地域の大人が背中を見せるだけではなく、手を取り合い、コミュニケーションをとれる関係を構築します。

 

【祭委員会】
日本では各地域にて様々な祭りが、一年を通じて開催されています。祭といっても神仏を祭る宗教的かつ厳粛なものから、賑わいを創出するイベントのように、様々な意味・要素を持っています。江津を代表する祭りである江の川祭りはコロナウイルス感染症拡大防止の為、第60回となる2020年度は中止となりましたが、江津青年会議所ではこの地域の人達が楽しみにしている江の川祭の火を完全に絶やしてはならないと、強い意志で奮起し、花火を打ち上げ、この地域に希望を灯しました。その花火を見て希望を抱いて欲しいと願った対象は誰だったのでしょうか?それは、この地域に住み暮らす住民であり、そして不可能なんてない、夢を思い描けば実現できる、夢の実現の仕方も一緒に提供できたと確信しています。そんな私達の持っているワクワクする事と向き合い祭を実施し、江津青年会議所に還元します。

この地域に住み暮らす住民を主軸に考え、交流人口、関係人口にも着目してこれからの祭りの意味を考えます。様々な祭りが受け継がれて実施されているのは、日頃のコミュニケーションを怠ることなく、共に考え、共に実施しているからであり、江津青年会議所が地域とリンクする活動を展開します。

 

最後に
目標に向かって真摯な姿勢で、心でやるぞと決め、取り組み、それでも力や知識が足りない時は「人と人の繋がり」による力をお借りしてでも、目標を達成し、問題を解決できるような技術を身に着けます。成長のチャンスがあれば、そのチャンスをつかみ取ることのできる環境を維持していきます。現在は事実の上に積み上がっています。その事実を積み上げていただき、現在のような環境を作ってくださった先輩諸兄への感謝と畏敬の念を感じた時、我々現役会員ができることは、何でしょうか?我々が今できることはそんな先輩諸兄のように、挑戦する友の背中を押し、応援できる環境を育むことはないでしょうか。

 組織運営にマジックはなく、「和を以って貴しとなす」以外に方法はありません。とことん話合い、決断したことを実行していくことです。我々は綺麗な言葉の上で机上の空論を話合うようなことではなく、綺麗でなくとも、泥臭くてもいいから決めた言葉に言霊をこめて、自分に嘘のない活動を展開していきます。

 我々JC は変化を起こす団体であり、挑戦し、失敗の中で成長し、学び、手を取り合う変化を起こします。それは起こることではなく、自分が起こすことです。

 江津青年会議所という川で、多種多様な変化を起こす可能性を秘めたメンバーという支流が、形作るように。時に穏やかに、時に激しく、たくましく時代の流れに負けぬ活動を展開していきます。

 

令和3年 1月 23日

江津青年会議所 2021年度理事長 湯淺弘一