新年のご挨拶


新年明けましておめでとうございます。

謹んで新春のお祝いを申し上げます。
旧年中は多くの皆様方に支えられ大変お世話になりました。誠に有難うございました。

いよいよ2011年度のスタートです。

青年会議所活動で私が大切にしていることは「何を成すかではなく、どう向き合うか」。その向き合った延長線上に結果があり、私たちが追い求める「ゆたかさ」があると信じているからです。

青年らしく物事に果敢に挑戦し、青年らしく多くを学び、青年らしく情熱の火を灯し続けてまいります。

2011年度がメンバー一人ひとりにとって飛躍する年となりますことを心からお祈り申し上げます。

一年間どうぞ宜しくお願い致します。

社団法人 江津青年会議所
理事長 伊藤 誠二

理事長所信

所 信

真自立創成期

~ 強くあれ ふるさと大家族 ~

社団法人 江津青年会議所
2011年度 理事長予定者 伊 藤 誠 二

冬の厳しい寒さを耐え忍び、待ち侘びた春が来ると一斉に花たちは咲き誇る。その中で川縁や道端、アスファルトの隙間からでも芽を出し花を咲かせるタンポポがある。私たちの身近に優しく咲くタンポポは見た目とは想像もできない強さを持つ。背が低いタンポポは、他の植物が生える場所では陰になって太陽が当たらないため光合成がうまく出来ない。そこでタンポポは生き残る為に人に踏まれたりする可能性が高く他の植物が生えにくい場所に育つ。人に踏みつけられても、折られてもどんな苦境な状況にあっても必死に起き上がる強さを持つ。その生命力の強さの秘密は根の長さにある。タンポポは背丈の5倍近くの根を張り、その根に養分を蓄える。根には幾つもの花芽があり、咲いた花が枯れても、この花芽を次から次へとのばして開花させ、世代交代を行う。
戦後の焼け野原から奇跡の経済成長を成し遂げた我が国日本。この日出ずる国は何が起きても大丈夫。ものがあふれ平和な時代に育った我々は一種の神話のごとくそう信じてきた。しかし変わることがないと信じられてきたことが次々と崩壊し、何が起こってもおかしくないような時代へと変わってきている。
政権交代を果たし新政権誕生に沸いた昨年、国民からの大きな期待と共にスタートした新政権も政策や外交、政治と金のスキャンダルによる政治不信など幾ばくの懸念や不安を感じずにはいられない。そしてこの国が抱える数々の不安。年金問題による老後の不安、少子高齢化による社会構造の不安、経済低迷の不安、社会保障の不安など、この国は、まさに不安の連鎖の中にある。先行きが不透明な時代の中では、人は憂い、心配し、不信の中にさまよいやすい。
こうした状況下で私たちはどうあるべきか? 時流に流されることなくしっかりとした根を張り、人間力を伸ばして雨風に耐える力や環境に順応する「強く生きる力」を養っていかなければならない。その力を養うには、前向きで、内なる無限の力としての「信」を培い自らを信じぬく力をどう磨いていくかだと思う。自らの力に不安が募れば、自信は揺らぎ、リーダーとして的確かつ果敢な決断はできなくなる。
タンポポの如く大地に根を張り、自らの根を伸ばし、たくましく生き抜く力を追い求め、豊かな社会の実現に向け邁進していきたいと考える。

強くあれ ふるさと大家族
我が国の財政状況は、景気低迷による税収の落ち込みや累次の経済対策に伴う財政支出の拡大・減税措置により急速に悪化しています。歳入と歳出には大きな財政赤字が生じ、それを埋める為に公債発行を行い毎年大きな借金が積み上がっています。
年金、医療の社会保障や教育、外交、防衛など国が果たすべき役割があるとしても、この状況下では、あれもこれもと無いもの強請りは出来ません。しかし私たちはまだ心のどこかで「国が何とかしてくれる」「地方自治体に任せておけば大丈夫」といった危機意識の薄さがあるのではないでしょうか。そうした危機意識の薄さがこの状況を益々悪化させていきます。
次の世代に大きな負の遺産を残さぬ為にも「国を支えて国に頼らず」という覚悟が必要とされます。この覚悟を成すには、国やまちに頼らない強さが必要であり、この地にあって「生き抜く知恵」や「逆境に立ち向かう心の強さ」を養っていかなくてはなりません。不安と混迷の今だからこそ、目先の利を追わず、勤苦勉励して将来のために備えることが大切です。次代の先導者たらんとする青年として、真実を見る努力、調査研究をする努力をせずに周囲の人の言いなりになることはリーダーとしては無能であり、ついてくる人は困惑するばかりです。
良き友、良き先輩を大事にして、知恵袋を多く持ち、マイナスをプラスにする心構え、決断力、勇気、そして日々の努力の積み重ねが不測の事態を乗り切る鍵であると思います。
私たちは勿論のこと、市民一人ひとりの気構えや小さな変化がこの国を変えることが出来るという信念をもって活動していきたいと考えます。
「明日のために今日働き、半年後の稔りのために今日一粒の米を蒔けば、それは後の百倍、千倍の米になり富と幸福の第一歩となる」

後世に遺すことが次代への責任であるとの考えに立って
地域経済の疲弊、過疎化、少子高齢化の進行などから地域の活力は低迷し続けている。その中でも特に伝統文化はその地域の生活や産業と密接に結び付いているがゆえに喪失、消滅の危機といった危惧の念を抱きます。
その薄れゆく地域財産(伝統文化)のなかに石見地方を中心として人々に広く愛され続ける「石見神楽」があります。ある人はその囃子を耳にしただけで心踊り、ある人はその修練され磨かれた舞いに魅了されます。この地域のアイデンティティーであり「誇り」でもある「石見神楽」は先人から我々の世代へと受け継がれたものです。その魅力を増進し大切に守り伝えていくことが今を生きる我々に与えられた使命であると思います。この伝統芸能を発展させ守り伝えていくには、「石見神楽」を地域振興の一つとして考え、各社中の方々や行政などより多くの方との連携を図り、持続可能な仕組みづくりや、県内外にとどまらず世界を視野に入れ、より多くの情報発信を行っていかなければなりません。その活動を通して地域全体で目的に向かう一体感が醸成されていくことを期待します。私たちが住むこのまちの魅力は私たち自身が高めていくという気概を持って、私たちがこのまちに「誇り」を持ち、次の世代の子供たちに夢や希望を持って成長出来るようなまちの実現を目指し大いなる挑戦をしていきたいと考えます。
そして地域資源のもう一つの財産である大河、江の川。この江の川を活用した「江の川かわくだり」は今回で第5回目となります。継続は力なりの言葉の如く回を重ねるごとに参加者が増え、知名度も幅広く浸透しつつあります。
江津の自然豊な美しい景色を見ながら大蛇ボートというユニークな艇で川をくだる。そんな単純なことですが、改めてこのまちの魅力を再確認出来ることと思います。
そして、継続する事業を行ううえで忘れてはならない事とは何か。
それは立ち上げ当初から今日まで発展させていただいた諸先輩方の想い、これまで参加していただいた方々の思い出など、沢山の想いがこの継続事業に込められているという事です。この想いを受け継ぎ、さらなる事業の発展を目指すことこそが最も大切な事なのです。

強い組織
皆が同じ目的に向かって労を惜しまず邁進し、ことを成し遂げる信念を持って歩みを止めない集団が、強い組織だと思います。私たち青年会議所は様々な異業種が集まり、組織として活動しています。集まった人間は十人十色で物の見方、考え方は人それぞれです。しかし集まった仲間には共通の想いがあります。自分たちの世代、そして次の世代が自分のまちに誇りをもち「このまちが好き」「この国が好き」と言えるように、自分たちのまちの発展を願い、夢を持ち、利他の精神で自分の持てる力を出し続けています。自分たちのまちのために何かしたい。何か行動に移したいという想いを持っていても一人では困難で出来ないことを、仲間が集まり協力し合い刺激し合いながら目的に向かって漸進していく。そんな活動を続ける仲間を一人でも多く増やしていくことこそが、公益に寄与することに繋がると信じています。
そして、その力をより効率よく発揮し活動し続ける組織であるには、規律正しい会議の運営及び効率のよい組織運営が必要となります。時には厳しさやそれを成す強さが求められます。
しかし厳しさや強制、使命感、責任感だけでは人はついてきません。そこには人の心の機微があり、至誠だけが人を動かすことが出来ます。敬愛する先輩達が私たちにその姿で示してくれたように。

第26回 江の川祭
「祭」という響きだけでもやけに気分が高揚してしまい楽しい気持ちになる。大勢の人が集まり子供からお年寄りまで楽しめ、人々の記憶に残るふるさとの夏祭り。
我々の先輩方は、そんなふるさとの祭に情熱を傾けより良い発展を目指してきました。江の川河口付近を中心に水上ステージでの催しや大蛇行進。平成5年第10回江の川祭では駅前道路を歩行者天国とし1000人近い参加者で江津市音頭パレードを創り上げ、今日まで継続して参りました。時代は変われどもその情熱の火を灯し続けなくてはなりません。
勿論、江の川祭は私たち一団体では出来ません。各団体が企画立案運営し、多くの市民に参加して頂き初めて祭は成り立ちます。故郷を想いこの祭りに参加するために帰省する人も数多く、何よりも江津市民が一堂に会する大切な一日です。江の川祭は『江津市民の絆』そのものなのです。
私たち若い世代がその「地域との絆」を率先して創り上げることが使命であると考えます。
受継がれる祭りへの想いを全メンバーで再確認し、今年も情熱ほとばしるエネルギッシュな祭りを「地域の絆」を持って創り上げていきたいと考えます。

公益社団法人取得
昨年度、江津青年会議所は公益社団法人の申請を行いました。
その取得が期待される本年度は、これまで以上に組織の透明性と公益性の高い組織体質、より多くの情報発信が私たちには求められます。そして公益社団法人に適した事業計画や予算立て、監査制度などの実務を全メンバーで認識を深め実践していかなくてはなりません。そうした幾つものハードルを越えていくという困難がありますが、それをクリアすることで、より組織の存在意義を明確化することが出来、私たちの資質向上に繋がり、結果的にこのまちの為になると信じています。強い信念と進取の精神を持ち、地域に根付いた運動を展開し地域社会からの信頼を築いていきましょう。
しかし公益社団法人になったからといってプレッシャーを感じることはありません。江津青年会議所36年の歴史は、自らの利益を追わず公益に寄与する志を大切にする活動の継続でした。
これまでと同じ「一歩、また一歩、力強い歩み」を続けていきたいと考えます。

最後に
「なぜこの厳しい時代にJAYCEEが必要なのか?」、「その存在理由は何なのか?」よく問われることがあります。この経済状況や先行き不透明な時代の中で活動していくのは難しいのではないかと思われる方もおられるかもしれません。確かに活動していくには時間を費やし、月々の会費も必要となります。しかし、その活動をしなければ果たして会社の業績や経営が上手くいくのでしょうか。
会社の業務を蔑ろにして売上げを下げたり、駄目にしたりするのは論外な話で、それは社会人として経営者としての資質の問題であります。勿論、自分の背丈に合った活動をすることが大切です。しかし、自らの成長と自立を目指す私たちにとって、多少の無理をしてでもより多くの経験をする努力をしなくてはならないのです。
私たちは、仕事以外の限られた時間の中で自らを高めていく努力をし、また、自分たちが住み、関係するこのまちのことを真剣に考えています。未熟な私たちはその活動を通して、時間の使い方、会社では許されない多くの失敗や挫折を経験し、それを自信へと変えています。そして私たちが活動を続ける上で、それを支えてくれる家族や会社に感謝する気持ちを改めて感じ、「恥ずかしくない姿」、「地域社会に貢献する想い」を日々育んでいるのです。
混迷と不安が蔓延する今この時代だからこそ「明るい豊かな社会の実現」を目指すJAYCEEが必要なのです。
家族を守り、ふるさとを愛する想いが愛国心へと繋がるように、私たちの地道な活動が地域、国をより良く変えていくのです。
「ふるさと大家族」とも言える仲間との出会いが人間としての成長となり、それを守りたいと思う気持ちが「今を生き抜く強さ」になると信じて。

私たち江津青年会議所は、これらの活動を通して35周年宣言文に上げた「4つのゆたかさ」 を追い求めます。

1. 市民のゆたかさを追求します。
2. メンバーのゆたかさを追求します。
3. 組織のゆたかさを追求します。
4. 社会のゆたかさを追求します。