所信

所信

不 撓 不 屈
~貫き通す意地と矜持をもって 陽をまた昇らせる~

社団法人 江津青年会議所
2012年度 理事長予定者 宮津秀行

 2011年3月11日午後2時46分、マグニチュード9.0の東日本大震災が発災した。
テレビの向こう側の映像に正直目を疑った。東北最大の漁業基地である気仙沼をはじめと
する東北地方の各漁港を襲った大津波。お台場や千葉のコンビナートでの火災。九段会館
や新橋駅前の避難される方々模様。時間を経過する毎に増える被害状況と行方不明者や死
者数。今なお収束の目途すらつかない福島第一原発の事故。そして迷走する国政。38年
の人生で最も国家と国民を意識し、一番の衝撃と多くの悲しみを受けた出来事である。
戦後の奇跡的な経済復興を成し遂げ、世界第2位の経済大国となった日本の、果てしな
く続くかのように思えた経済成長は、バブル崩壊により終焉を迎え、今日の日本は、長引
く不況による経済の低迷と円高やデフレによる競争力の低下、少子高齢化の進展、社会保
障の不安、政治への不信、グローバリズムの脅威、地域コミュニティや文化の消失など多
くの問題を抱えている。そして、東日本大震災の発災。我が国は、まさに国難に直面して
いる。正直私は、映像を見ながらもうこの国が駄目になるのではないかと思った。しかし、
自衛隊や警察、消防、医療、そして自ら被災しながらも、我が身を省みず立ち上がった地
域の方々の不眠不休の懸命の救助作業により多くの命が助かった。また避難所の生活にお
いては、皆での助け合い、「おもいやりの精神」でこの未曾有の困難に耐えしのぶ姿が国内
はもとより、世界中からも称賛され、この方たちの姿を見たときに「日本はきっと立ち直
る!」と確信することが出来た。この脈々と積み重ねてきた地震への対策技術と困難の中
でも礼節を忘れず公への責任感、互助精神を見せる日本人の姿は、様々な海外メディアか
らも驚嘆とともに称賛されている。国民が国家を守ったのである。
この現状下で我々が今からするべきことは何か。それは、ひとりひとりがこの国と国民
のことを思い、公の責任感を胸に抱き、意地と誇りをもって未来を切り開き、成長するこ
とである。
我々が生活する江津市も厳しい経済環境のもと、明るい未来を見出せずにいる状況が続
いている。少子高齢化の波はさらに加速し、雇用の流出も続く。我々は青年経済人として、
この過酷な状況下でも、歯を食い縛り、家族や社員、江津市そして日本のために明るい社
会を創造し続けなければならない。そのために生きていると言っても過言ではない。
今を生きるヒトとして、先人たちが守り抜いてきたふるさと江津、美しき日本を一日も
早く取り戻すため、英知を振り絞り、気概を持って行動していく。
誇りある石見人、誇りある日本人となり輝き続けるために。
                                                           『降り積もる 深雪に耐えて 色変えぬ 松ぞ雄々しき 人もかくあれ』

                                                 昭和天皇御製
      ローカルファーストでのマチづくり

 江津市には、古くから四季折々の中で育まれた海山の幸が数多く存在する。それらは常
に安全で安心な食材として食されている。しかし、『江津の魅力ある食材』の多くはあまり
世間に広く知られずに今日に至っている。美味しいものは、自然と笑顔を育み、ヒトを幸
せにし、いつの時代であっても生き抜くための活力を与えてくる。この食の力を通して、
このマチの食材を大いに活用し、江津の食と魅力を発信し、人々の集う活気溢れるマチに
する。
また、青年会議所メンバーや、多くの市民の方々へ、地域の安心で安全な食材を通して、
健康な体づくりと健全な心を育む事の出来る食育の推進を図る。

石見神楽でのヒトづくり

 子供から大人まで多くの人から愛されている石見神楽。金糸銀糸を鏤めた、豪華絢爛な
衣装を身に纏い、神話を基に多くの神の威徳を称える勇壮な舞いをはじめ、厳かな儀式舞、
そしてこの神国日本の誕生までも舞い、神話の世界へと導き、見るものの五感を魅了し、
魂を揺さぶる。
この石見神楽を未来につなげるため、(社)江津青年会議所も様々なことを学び運動して
きた。この運動を通して蓄積したデータや関わりあった方たちとの得た『絆』をもとに、
石見神楽を支え受け継ぐ、ヒトづくりを行い、誇れる伝統芸能『石見神楽』を力強く内外
に発信する。

江の川かわくだり

 江津市を代表する魅力といえば『江の川』と思い浮かべる人が多い。『中国太郎 江の川』
を無くして、このマチも産業も発展はなかったと言っても過言ではない。柿本人麻呂の逸
話を含め、多くの歴史と生命を育んできたこの川と、(社)江津青年会議所も毎年のように
様々な形で関わっている。今でもこのマチに誇りと活力を与えてくれるこの魅力溢れる大
河で、精一杯自然と触れ合いながら多くの人たちに愛郷心を育む。

組織力の強化

 魅力あるマチには、魅力溢れるヒトたちが多くいる。日本が世界から信頼されているの
は、助け合いと礼節を重んじる和の心をもち、魅力溢れる国民性であることに他ならない。
また(社)江津青年会議所が他LOM から称賛されるのも、多くの魅力溢れるメンバーの集
まりであるからだ。ヒトは掛けられた負荷が大きければ大きい程、強く逞しく成長する生
き物である。その成長が家族や会社は基より、このマチを支える逞しい原動力となる。よ
り多くのこのマチを支えるヒトづくりも青年会議所の責務である。組織力の強化が曳いて
はマチの活性化にも繋がり、我々が目指す『明るい豊かな社会』が実現する。そのため様々
な創意工夫を重ね、(社)青年会議所メンバー全員による会員拡大活動を推進する。
そして、未だ収束が見えぬ東日本大震災。想像を絶する規模の被害を被った被災地では
支援を求めている方たちが多くいる。日本を愛する国民として、本年も引き続き様々なカ
タチで東日本大震災への災害復興支援活動を行う。

島根ブロック協議会会員大会

 島根ブロック協議会の最大の事業である会員大会を(社)江津青年会議所が主幹として
執り行う。伊藤誠二君を島根ブロック協議会会長として輩出させて頂く当LOM としては、
一致協力し、責任をもって島根ブロック協議会の全メンバーの『意識統一』を図るため、
魂を揺さぶり、記憶に残り、これからの国難に立ち向かうための強固な『絆』と『和』を
生む会員大会を執り行い、合わせて国民参加型による次世代エネルギーリテラシー推進運
動を展開していく。
また『絆』と『和』そしてこの日本を支え愛する国民の一人として、どんな困難や試練
にも屈せず立ち向かい、未来を切り開くための『覚悟』と『力』を、幾多の国難からこの
国を守り抜き、輝く未来を次代に繋いで頂いてきた先人たちより学ぶ。

第27回江の川祭

 毎年6万人を超える多くの人々が『江の川祭』を楽しみに全国より集結する。(社)江津
青年会議所は発足当時からこの祭と関わり合い、青年会議所として常に斬新な提案と活動
を通して多くの市民に対して、明るい豊かなマチづくり運動を行ってきた。
先輩諸兄から受け継ぐ江津市音頭パレードを含め、祭を通し活力あるマチにするため、
既成概念に囚われない様々な取り組みにチャレンジする。そして江津市で一番熱い夏の祭
典を市民と青年会議所メンバーが協力し合い、全市一体となって演出する。

組織の絆

 どんな組織でも規律正しい運営を必要とする。青年経済人の集まりである青年会議所は、
殺伐とした厳しい時代を乗り切るための活動を日夜行う。服装の乱れは心の乱れではない
が、日本が世界に誇れるのは礼節を重んじる和の精神が残っている事だ。メンバー同士の
絆を更に強固なものとするために、扇の要から和の精神と礼節を学び、(社)江津青年会議所
メンバーと組織の品格を高め、この国を支える大人として責任ある行動を日頃より身に付ける。
また時代に即した適時的確な情報発信を行う事で、多くのヒトたちと連携を図り、強固
な『絆』を生むネットワークづくりを展開していく。
最後に日出ずる国に住む我々日本人が、この国と地域に意地と誇りを持たなければ、間違いな
くこの国は衰退の一途を辿る。日本人としてこの国や地域の伝統や歴史を学び、後世に伝
えるのは当然の責務である。更に世界に称賛される和の精神を一人ひとりが受け継ぎ、伝
えていくことで失われかけた『日本人の絆』は必ず取り戻せる。
そして我々の想いが一つになった時、ふるさと江津とこの国は輝きを取り戻し、陽はまた昇る。

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